滝汗

RX-82005-04-22

今朝は久しぶりの電車通勤。
天気予報では雨の予報だったが、どうやら天気は悪くなさそう。
雨だったらRX-8で出勤しようと思っていたのだが、雨で無いので電車で行く。
パソコンが入ったカバンと、いつもの通勤カバンの2つを持っていかなければならなかったため、この荷物では、傘がさしづらいからだ。
 
いつものように塩尻から篠ノ井線に乗って松本に向かう。
電車が3分遅れで入ってきた。
塩尻駅に入ってきた時点で座席は一杯だった。
通勤カバンとパソコンカバンを担いで、電車に乗る。
どちらも大事なカバンなので、背中に背負う。
文庫本を読むために、両手をフリーにする。
このところ通勤で読んでいる本は、ハヤカワ文庫の「星界の紋章」(森岡浩之著)である。
ずいぶん前に読んだことがあるのだが、久しぶりに読み返している。
この世界観が好きなのだ。
読み始めると、塩尻〜松本までの区間はとても短く感じる。
(実際、短いのだが)
 
松本に到着。
今朝乗った篠ノ井線は長野行きなのだが、乗客のほとんどは松本で降りる。
人の流れに乗って下車。
ホームに降り立ったところで文庫の世界から現実世界に帰る。
 
…両手はフリー。
一瞬考える。
何か持っていないような…。
確かカバンは2つあったような…。
 
次の瞬間、冷汗が滝のように出る。
通勤・通学客の群集とともにホームの階段を上りかけていた私は、急いで逆流を始める。
電車は数分停まっているため、電車に乗り、自分が立っていた位置まで戻る。
カバンは無い。
少し考えてみる。
塩尻駅のホームのベンチにパソコンのカバンを置いた記憶が思い出される。
シマッタ、塩尻駅か。
 
電車を降り、駅員さん、もしくは事務所を探し始める。
塩尻駅ニ連絡シナケレバ」
こんなことならRX-8で出勤すればヨカッタと後悔を始めるが、後の祭り。
ホームの階段を上り、とりあえず改札へ行こうとする。
今日は9:30から事業部会議があり、私の発表分の資料がパソコンの中にある。
塩尻駅に連絡がついて、パソコンがあったとして、事業部会議には間に合わないだろう。
あー、なんと不注意な。
しかも会社から支給されたパソコンだし、それが無いと仕事にならないのだから、もし誰かに持っていかれてしまっていたらどうしよう…。
短い時間に多くの状況判断が発生し、脳がヒートする。
 
そのとき、「ずるっ」と背中から身体の前にズレてくる荷物が…。
「あ、パソコン…」
ほとんど放心状態で改札への階段を降りていた私の前に、パソコンのカバンといつもの通勤カバンが現れる。
そうだ、肩にかけていたんだっけ(^^;)。
いつもはカバンを手に持っているのだが、今日は電車に座れなかったことと、本を読むために2つとも肩にかけていたのだ。
駅員さんに相談する前に気がついてヨカッタ。
 
「スミマセンっ、塩尻駅にパソコンのカバンを忘れてしまったんですがっ!」
「おやおや、それは大変ですな。…で、その肩にかけてあるカバンは?」
「!!」
…30後半の男が起こす事件としては、あまりにもアホーな情景である。
 
なにはともあれ、目が覚めた。
寝ボケているのか?それとも「星界の紋章」が秀逸だからなのか…?
いつものように北アルプスを見ながら、会社へ向かう。
少しばかりの脱力感と安堵感ともに。