スーパーテネレのインプレッション

RX-82015-01-29

冬でも路面に雪さえ無ければバイクには乗れるのだが…。
晴れていれば気温も低いし、やはり出不精になる。
RX-8は、今履いているスタッドレスが5シーズン目ということもあり、あまり雪道には行きたくないので、ほとんど冬眠状態。(雪かぶってるし)
スーパーテネレもNINJAも車体カバーを被せて、ときどきバッテリーの補充電をするくらい。
 
ということで、スーパーテネレのインプレッションなんぞを書いてみようと思い立った。
 

 

◆2014年式 YAMAHA XT1200ZE Super Ténéré
 
◯ 見た目
ひとこと、「カッコイイ」。(個人の感想です^^)
このテのバイクは、各社みんな個性的ですが、その中にあって自分の感覚に最も合っていたカタチがスーパーテネレでした。
また、大人気の某社の某GSは、たくさん走っているので嫌だったというのもあります。
国産が好きなのと、人と違うバイクが乗りたいという気持ちから選びました。
 
実車はほとんど見たことがなかった(意識して見ていなかった)ので、実は2014年のモーターサイクルショーで初めてじっくり見ました。
他に展示してある他社のアドベンチャー・ツアラー系より、明らかにカッコ良かったので、印象に残りました。
 
次に実車を見たのは、納車のとき^^。
ぱっと見はとにかく「デカイ!」。
走り出せば軽快で、大きさを感じさせないし、乗り心地もとっても良いですが、止まるとデカイ。
私は身長172cmですが、脚立が無いと乗り降りできない感じです。(いやマジで)
中年オヤジには、足を振り上げて、カッコよく乗ることなんてムリです。|
 
◯ 乗った感じ
身長172cmでは、足着きはハイ設定で両足の爪先が辛うじて接地するくらい。
信号待ちでは、シートの一番前にお尻を移動して左足を出せば、なんとか支えられるくらいになります。
 
シートはハイとローの2段階が設定できますが、ローでもけっこうキツイ。
某GSの日本向けローシートのほうが遥かに乗り降りしやすい感じ。
もちろんスーパーテネレにもワイズギアからローシートが発売されていますが、外観が変わっちゃうのでイヤです。
 
平地で、サイドスタンドをかけた状態でバイクに跨り、垂直に引き起こしてみると、車体に反してとても軽いです。
さらに、高速道路や長距離移動などのときは、ハイの設定のほうが断然疲れません。
両足の膝の曲がりが少なくて済むので、血流も良好です^^。
ほんの数センチの差だけど、景色も良く見える感じだし、ハイ設定がいいです。
 
納車半年で7千キロ以上走りましたが、足着きも慣れたし、今後もハイ設定でいきます。
 

 
◯ 取り回し
さすがに重い。(装備重量265kg)
自宅のバイク置き場から自宅前の道路までは20mほどの距離(しかも未舗装)があり、この距離を押していくのは結構シンドイです。
フルパニア装備だと軽く300kgは超えるので、なるべく軽くするため、パニアケースは外して移動させます。
 
平地の舗装路での取り回しは、ハンドル幅も広いので、気負わずにできます。
平地ではなく、ひとたび斜度がつくと、とても慎重になります。
坂道や未舗装路での押し歩きでのUターンは、できれば遭遇したくないシチュエーションですね。
 
◯ エンジン
排気音は静かです。
今まで4気筒ばかり乗ってきて、実は初めてのツインなので、もっと鼓動とか振動とか音とか、ツインっぽさを想像していたのですが、とてもジェントルなので、ちょっと拍子抜けした感じです。
こんなに静かなら、マフラーは換えてもいいかなと思っています。
 
スペック上のパワーは、ライバル車と比べても強力ではないのですが、112ps/11.9kgf・mもあればじゅうぶんでしょ。
スーパーテネレにはツーリングモード(Tモード)とスポーツモード(Sモード)の2種類のモード切り替えができますが、Sモードはとてもスルドい加速をしてくれます。
Sモードは、感覚的にはハイスロになるような感じで、ちょっとアクセルを捻れば、高速道路での追い越しなど、ラクチンです。
Tモードは、のんびり長距離を走るときにいいですね。
どちらのモードで走っても、ツーリング主体であればそんなに燃費に差は無いように感じます。
 

 
◯ メーター類
2014年モデルからアナログメーターが無くなり、すべて液晶パネルになりました。
晴れた夏の日中でも見やすく、多機能で便利なメーターだと思います。
走行モードやサスペンション設定、吸気温度や燃費、グリップヒーターの設定なども切り替え表示できます。
燃費の表示は一般的な国産車のような「1リッターあたり何キロ走ります」という表示ではなく、欧州車と同じ「100km 走行するために必要な燃料」を表示するタイプです。
 
ナビとスマホを付けると、液晶パネルだらけで面白いです。
 

 
◯ ミラー
純正ミラーは、カタチはいいのですが見づらいです。
自分の身体が映り込むというより、単純に視野が狭く感じます。
たとえば高速道路とかで追い越しをかけるときに右後ろを確認しますが、視野が狭いので不安です。
交換しようと思っています。
 

 
◯ 燃料タンク
これまで乗ってきた2台の燃料タンク容量は、GPZ900R(22?)、GSX1400(22?)だったので、同等の容量が欲しかった。
スーパーテネレは23?なので問題なしです。
燃費も今のところ平均で24km/?くらいなので、バツグンの航続距離。
ガソリンは無鉛プレミアムガソリン(ハイオク)指定なのがちょっと不満だけど、航続距離が伸びているぶんでチャラかな。
 
タンク容量と燃費の良さは、北海道ツーリングで本領発揮。
クルーズコントロールと合わせて、いつまでもどこまでも走っていたい人には最高です。
 
◯ フロントスクリーン
縦長で4段階の調整ができるフロントスクリーン。
いちばん上に設定していると、走っているときは身体にほとんど風圧を受けません。
高速道路では、エンジン音量も少なく、とっても静か。

GPZ900Rではエンジン音がガシャガシャ、GSX1400(ビキニカウル付き)では風切り音がゴーゴーとやかましかったのに、スーパーテネレではフロントタイヤから「コー」というロードノイズが聞こえるだけ。
ツーリングの疲労度が少ないのは、こういうところも影響しているのでしょう。
スゴイなと思いました。
 
ワインディングを走るときや、気分を変えたいときは、フロントスクリーンを一番下にします。
風切り音がひどくなることはありませんね。
適度に風が当たって、気持ち良いです。
 

 
◯ 電子制御関係
XT1200ZE には、電動調整サスペンションが付いています。
プレストの紹介ページには「4種類の荷重設定、3段階の減衰力調整、7段階の微調整の組み合わせによって、84通りに及ぶ荷重と減衰力の調整が可能」とありますが、微調整はしたことがありません。
しかしこれがズグレモノで、のんびり平地をツーリングしているときと、ワインディングで振り回したいときなど、好みでサスペンション設定が切り替えられるので、たまりません。
サスセッティングなんてあまり興味なくて、使ってみるまでどんな効果があるか知らなかった自分でも、違いがハッキリわかるくらいです。
荷物が多いときや2人乗りのときなど、リアサスの沈み具合ではヘッドライトの光軸が上向きになったりしますが、荷重設定を適宜変えられるので、全走車にもありがたいです。
 
それと、なんといってもクルーズコントロール
一度使ったら、もうやめられない。
総行程4000キロの北海道ツーリングで体感しましたが、疲れないし肩コリが無い!
今までは、アクセルをずっと握っているだけで疲れるし、肩もこるのが当たり前と思っていましたが、クルコンのおかげで一発解消!
高速道路での移動では、とーっても重宝します。
今までは走行中に「左腕の裾をまくる」とか「ジャケットの左腕のベンチレーターを閉める」などはできませんでしたが、クルコンのおかげで出来るんです!
次に買うバイクも、きっとクルコン付きを選ぶでしょう。
 
ABSもトラクションコントロールも付いています。
ABSが利いているときは、自分の印象では「カツカツカツ」とブレーキレバーに反応があると思っていたけど、スーパーテネレのABSは、あまり信号が来ないようです。
それでいて静かに利いている感じ。
車体の重量があるので、ストッピングパワーは気になるところでしたが、申し分ないです。
 
トラクションコントロールは、まだその効果を体感していないです。
未舗装路もけっこう行きましたし、雨の市街地もけっこう走りましたが、トラコンが利いている状態を意識したことが無いです。
トラコンもオフを含めて3種類の設定ができるのですが、標準設定のままです。
 

 
◯ 収納スペース
車体が大きい割には、収納スペースがまったくありません。
シート下に僅かなスペースがありましたが、ETC車載器を入れたら、もう何も入りません。
GSX1400などは、シート下に1泊ぶんの着替えとレインスーツとサンダルくらい楽勝で入るスペースが有ったのですが、スーパーテネレは皆無!
U字ロックも入れるところが無いとは、ちょっと不満なところです。
 

 
◯ ヘルメットホルダー
雑誌などを読んで事前に知ってはいましたが、ヘルメットホルダーはありません。
ワイヤーロックとかを用意しておく必要がありますが、前述のとおりワイヤーロックを入れておくところもなく…。
海外では観光地とかに行ったときに、ヘルメットをどうするんですかね?
パニアケースにスペースが有ればいいですが、普通は荷物でいっぱいです。
 
ということで、私はキジマのスーパーテネレ用ヘルメットホルダーを付けました。
位置的にちょっとヘルメットを留めづらいですが、無いより遥かにマシです。
 

 

パニアケース
スーパーテネレを買う前からGIVIユーザーなので、GIVIのトップケースが付くように、GIVIのモノキー用のホルダーを装着。
標準装備のリアキャリアを外してGIVIモノキー用に交換しました。

シートバッグとあわせて、ロングツーリングもバッチリです。
 
また、以前はGSX1400にGIVIのトップケースを付けていたのですが、専用のキャリアとモノキーベースの位置が高かったせいか、トップケースの中の物を出すためには背伸びが必要な感じでした。
しかしスーパーテネレは、車体は大きいですが、キャリアの位置が低くて、同じGIVIのケースがGSXに比べて低い位置にあります。
これは嬉しい誤算でした。
 

 
◯ 社外パーツ
希少車(?)故に、外装・マフラーなどの対応パーツが少ない感じ。
もちろんワイズギアとかGIVI、ツラーテックなどからスーパーテネレ用製品が出てきてはいるけど、色が合わなかったり高かったりで…、手が出ないですね。
 
欲しいと思っているのは、ツラーテックのフォグランプとUSヨシムラのマフラーが欲しいです。
あと、新しいナビも欲しいかな。
 
◯ その他
電源取得用のシガーソケットがメーター右下に標準装備なのが嬉しいです。
USB電源ソケットを介して、ナビやスマホなどの電源に重宝します。
 
ナビといえば、ナビを装着するアクセサリーホルダー(鉄の棒)がメーター上部にありますが、細い!
国内で買えるナビ用のホルダーで、この細い鉄の棒にクランプできるホルダーは、見たことが無いです。(だいたいはパイプハンドルにクランプするもので、もっと太いパイプに装着することを想定しています。)
このため、ホームセンターで硬いスポンジのようなテープをグルグル巻いて太くし、その上にナビホルダーをクランプして使っています。
 
◯ 気のせいかもしれませんが、あまり汚れない感じがします。
ツーリングに出かけると、雨も降るし泥もかぶるし、汚れると思いますが、スーパーテネレはあまり汚れが着かないというか、水洗いでサッと汚れが落ちるというか、そんな感じです。
樹脂パーツの材質や塗装に何か秘密があるのではないかと思うのですが、気のせいですかね。
 

 
とりあえず、ざっとこんな感じで。
あー、やっぱり乗りたいなスーパーテネレ。