北海道ツーリングに行く 2012年 (4日目)

RX-82012-08-14


北海道ツーリング4日目。
天気は曇りのち晴れ!
弟子屈の朝は薄曇りだが、宿泊している3階の部屋の窓から見渡すと、遠くの空は青空が見えていたり、とても明るい。
 
テンション上がる!
 
今日の目的地は納沙布岬
ここしばらく、納沙布岬には寄ってないので、行ってこようと思う。
 
今夜の宿泊場所は決めていないけど、天気予報を見る限り、キャンプができるとしたら今日かな。
朝の時点では、できれば網走の呼人浦キャンプ場か、斜里の浜小清水前浜キャンプ場あたりを想定していた。
 
とりあえず外は雨も降ってないし、走りだそう!
なんだかんだ仕度していたら、出発は8時になってしまった。
 
 
納沙布岬を目指すので、まずは別海方面に向けて走り出す。
どんどん天気が良くなっていくので、走っていて気分が良い。
 
ということで、ホントはさっさと根室方面に行ってしまいたいのだが、寄り道をしたくなってくる。
天気が良くて、「多和平」の文字を見つけたら、それは寄ってしまっても仕方がない。
 

 
8時半。
多和平に着いたときは、青空がぐんぐん広がって、なんとも気持ちがよい。
 
今回の北海道ツーリングで、ようやく北海道らしい景色が撮影できる。
 

 
多和平は、とても道東らしい、北海道らしい景色が楽しめるので、過去何度も来ているのだが、天気が良いとホントに気持ちがよい。
 
キャンプ場も併設されていて、何回かテントを張ったが、大好きなキャンプ場のひとつである。
風呂が遠いのが唯一の弱点なのだが、晴れた日の夜空は最高である。
 
今朝もキャンパーが5〜6組いたけど、昨日の雨は、浸水とか大丈夫だったのかな?
 
 
多和平のあとは、パイロット国道243号(通称パイロット国道)をひた走って、一気に根室まで。
なにしろ交通量も少なく、信号機も無い。
別海町を抜けて根室に向かうパイロット国道は、北海道内でも大陸的な雰囲気を味わえる道である。
 
「道の駅スワン44ねむろ」で休憩。
 
道の駅では、北方領土の返還を求める署名運動をやっていた。
もちろん署名する。
 

 
このところ、尖閣問題や竹島問題がホットだが、北方四島も忘れてはならない。
北方領土の面積はとてつもなく大きいし、ロシアの支配は歴史上も国際手続上も、紛れもなく不法占拠そのもので、許せるものではない。
 
だいたい、中国にしても韓国にしてもロシアにしても、自分たちの領土だと主張する根拠となるものがとても薄いと思う。
証拠が無いのだ。
日本には有る。
十分すぎるくらいに。
 
双方がキチンと納得できるような根拠や証拠資料をまとめて、良く理解すべきだ。
その上で、どこの国の領土かをハッキリさせたい。
 
まぁとにかく、さっさと返して欲しいものだ。
もっと日本も声を大きくして、国際法廷の場でしっかり決着をつけるべきだ。
話し合いを進めても、ちっとも聞く耳を持ってないかのような相手では、時間ばかりが過ぎてしまう。
 
少なくとも私自身が、教科書だけではなく、実際にこの根室に来て北方領土について学んでから、20年以上の年月が経っているのだ。
その間、なにも変わっていないように見える。
いや、ロシアの建造物や居住者はどんどん増えているようなので、返還が進めづらくなってきてしまっている。
 
こんなことではダメだ。
休憩中、じっくりと考えてみた。
何かアクションを起こしていこう。
 
 
さて、重くなってしまったが、ツーリング再開。
時間もまだ早いので、納沙布岬に行く前に、落石岬に寄っていこうと思いたつ。
 
こんなとき、ナビがあると便利。
落石岬までの距離がすぐにわかるので、どれくらい寄り道をすればいいかわかる。
(このときは、落石岬まで道路があると思い込んでいた)
 
ナビに、納沙布岬の前に落石岬に寄るよう、ルートを追加する。
 
 
程なくして落石岬というか、落石岬に向かう歩道の入り口に到着。
………………。
 
落石岬って、バイクじゃ行けないのねー。
片道25分ってことは、撮影も含めて往復1時間かかるっつーことで。
 
天気もイマイチだし、また今度にしますか。
 

 
BMWのバイクが1台、この看板の前に駐まっていて、ライディングジャケットがハンドルの上にかけてあった。
1名歩いていっているようだ。
 
天気が良くて、今日の宿泊が釧路あたりと、ゆるゆるの予定であれば歩いて行ったかもしれない。
さっき思いついて来ただけなので、あっさり先へ進むことにした。
 

 
さて、なぜ落石に寄ったかというと、まだ来たことがなかったというのが一番なのだが、「北の国から」で出てきた土地だったので、あのイメージがずっと頭にあって、いつか現地に行ってみたいと思っていたのだ。
 
ドラマでは、「北の国から'95秘密」と「北の国から'98時代」で蛍が駆け落ちした場所として登場する。
いやぁ、実際来てみて、駆け落ちするには最適な場所(失礼!)というか、ドラマのイメージ通りでもあった。
 
落石の港の周辺は、切り立った断崖が続いていたりするのだが、これがまた異国情緒たっぷりで、しばらく住み着きたくなる。
天気がイマイチで、モノトーンに近い風景だったので寂しげな感じもするが、そのぶんとても印象に残った。
 

 
落石駅前。
駅前ロータリーは未舗装。
ぽつんとある赤いポストが目立つ。
 
なんとも旅情をそそる。
内心ウキウキである。
 
無人駅なので、駅舎の中やホームにも出てみた。
とっても遠くに来た感じ。
 
駅舎周辺をにょろにょろと撮影していると、ご近所のおばさまがポストに郵便物を投函。
「こんにちは」とご挨拶。
 
「天気が良くないので、ここに来てもつまらないでしょう」と言われたが、私はとても楽しんでます。
 
ホントは「北の国から」の撮影セットなど、残っていたら見ていきたいと考えていたのだが、今回は寄り道なので、またの機会に。
 
落石を後にして、いよいよ納沙布岬に向かう。
 

 
ちょうど12時くらいに納沙布岬到着。
 
ココはとにかく遠い。
北海道ツーリングでも余裕があるときしか来れない。
知床もそう。
あまり途中に見どころが無いこともあって、とにかく遠く感じる。
お盆休みくらいのツーリングでは「納沙布岬行くぞ!」と気合い入れて計画しないと来れない。
 
まぁ、一般人の行ける日本最東端なので、そのくらい感じないと「ありがたみ」がない。
 
今日は曇りではあるが、歯舞群島がうっすらと見える。
過去にココに来た割合で言うと、キリで何も見えず、納沙布灯台の霧笛が周囲に響いているようなときが多いのだが、今日はラッキーと言える。
 
さて、実は納沙布岬には、日本最東端のマンホールの蓋を撮影しとこうと思い、寄ったのだ。
 

 
納沙布岬灯台の脇に、それはあった。
日本最東端のマンホールの蓋といっても、特にデザインされたものではなかった。
 

 
納沙布岬の風雪に晒された、サビサビの、なんの変哲もない蓋である。
しかしどことなく最東端の重みを感じる。
 
あくまでも一般人が旅行で気軽に行ける土地として、北方領土南鳥島を除けば、これより東にマンホールの蓋は無い。
大げさだが感無量。
 
 
大きな目的を遂げたので、昼食にしよう。
納沙布岬には食堂もいくつかある。
できれば海産物を…と考えているのだが、どうもあまり気が乗らない。
 
それは以前、納沙布岬に来たときに、カニラーメンを食べたのだが、あまり美味くなかったからなのだ。
さらに、すごく待たされた上に出てきたラーメンが美味くなかったので、納沙布岬での食事には良い印象がない。
 
それでも、いくつかある食堂にアタックを試みるが、どうもやみくもに単価をつり上げているような気がしてならなず、店を出てしまう。
 
私はカニはあまり好物ではないのだ。
手は汚れるし、たいして身は食べられないし。
だいいち高価ではないか。
 
もっと美味くて格安の海産物は、北海道には山ほどあるのだ。
 
むしろ、根室市街に行って、B級で話題のエスカロップでも食べたいと強く思ったのだが、スマホで調べたところ、今日はお店が休みのようで、とても残念。
 
なんとなく失意のまま、タンクバッグの中にあったアンパンを食べて、納沙布岬を後にすることにした。
(このアンパンはよしろうさんの奥さんからいただいたものである。感謝。)
 

 
気持ちを切り替えて走るぜ!
天気も良くなってきたし。
 
 
ところで、今年の北海道ツーリングは寒さを感じない。
道東で晴れていない日などは、特に昨日の釧路のような雨の時には、夏用の装備では寒くて寒くて仕方がないのだが、Tシャツにサマージャケットでも寒さを感じない。
ありがたいことである。
 
 
暖かいと、たいして休憩もせずグングン進む。
 
途中、ナビのバッテリーが終わり、GSX1400に取り付けたシガーソケットからUSB電源を取るべく、路肩にGSXを駐めた。
 
……駐めたところが悪かった。
野付国道(国道244号)を北上中、風蓮湖の北西側あたりで、道路の左右は原生林の、路肩にちょっとスペースがあるくらいの場所に駐めたのだが、思い出すだけで発狂したくなる。
 
GSXを駐めてナビに電源を接続するまで、だいたい5分くらいだったのだが、とにかくスゴイのだ!ムシが!
 
GSXのエンジンを止めてナビの電源ケーブルを接続するだけの作業だったのだが、ものすごい数の小さなムシに襲われた。
コバエのような羽虫なのだが、バイクを路肩に駐めた当初は居なかったのだ。
しかし、1分2分と過ぎるうちに、自分の周りを大量のコバエに覆われてきていることに気づき、慌てた。
何に反応しているのか、おそらくGSXの1400ccというエンジンの熱と私の体温であろう。
 
5分も経たないうちに、ヘルメットのバイザーはムシでいっぱい、ヘルメットの中にも大量に入ってきて、口も鼻も、息をするたびにムシを吸い込んでしまうような状態に!
 
とても我慢できず、とりあえず作業を簡略に済ませ、バッグ類のファスナーが閉まっていることを確認して、バイクに飛び乗り、一気にGSXのスロットルを全開領域に!
 
さすがに高速巡航しては、ムシもしがみついてはいられないだろう。
 
とりあえず視界の範囲にムシがいなくなったことを確認して、道の駅のようなところでバイクを駐める。
キレイにムシがいなくなっていた。
(何km/h出したかは言えない)
 
 
さて、ムシ事件の後は特に平穏なツーリングである。
オホーツク海沿いを北上し、羅臼方面に向かう。
 
野付半島の付け根、標津で給油。
現在15時40分。
この時点では、まだ宿泊先が決まっていない。
 
斜里方面にまっすぐ抜けて、斜里または網走でキャンプにするか。
いや、内陸に向かい、開陽台でキャンプして、星空を眺めるというのもいい。
でも、世界遺産の知床を目前にして寄らないのも惜しい。
 
前回も前々回も、知床近くまで来ていながら日程の関係で知床には行かなかったこともあり、知床を目指すことにする。
 

 
標津あたりから羅臼にかけて、海沿いを走っていて天気が良いと、国後島が間近に見える。
今日も国後島が良く見えるのだ。
 
思わず路肩にバイクを駐めて、国後島を眺める。
 
あー、国後島択捉島も、バイクで走ってみたいなー。
(道路がどれくらい整備されているのかは知らないけど)
 
そうだ、今日は国後島を眺めながらキャンプにしよう。
そう思い立ち、羅臼あたりのキャンプ場をスマホで探す。
 
「自然とみどりの村キャンプ場」発見。
セイコーマートで食料を買い込み、キャンプ場へGO!
 

 
「自然とみどりの村キャンプ場」は最近できたキャンプ場のようで、施設がキレイ。
料金は、フリーサイト500円(ゴミ代)。
 
受付で手続きをしてフリーサイトへ。
けっこう広い。
 
オートキャンプのサイトは、もちろん電源も確保されているので、クルマのキャンパーでいっぱい。
フリーサイトはバイクの人と、自転車の人が2人。
特に混雑した感じは無く、快適に過ごせそう。
風も無いし。
 

 
荷物を降ろしてテント設営。
バイクから近いところで、炊事場とトイレにも近いところに設置場所を決める。
 
テントは、いつもの3人用ドームテントである。
10年くらい前に埼玉の美女木のロヂャースで買った格安テントなのだが、便利で重宝している。
バイクツーリング用のコンパクトなヤツもいいのだが、小さいのはのんびり寝られない感じがして、大きめのものを愛用している。
 
思えば、過去に北海道と鈴鹿サーキットでしか使ったことがないテントである。
 

 
テント設営中も国後島は良く見えている。
ここのキャンプ場の常連さんが話しかけて来たので、ちょっと会話を。
 
どうやらココのキャンプ場は、風が強いことが特徴らしい。
風が強い日は、テントを飛ばされてしまう人もいるようだ。
景色は最高なんだよねーと常連さん。
札幌から家族で毎年来ているとのこと。
 
しかし、今日は無風でラッキー。
ぜんぜん風が無い。
 

 
18時。
日が沈む前に夕食を済まそう。
 
今日の晩ご飯は、先日の鈴鹿8耐のときの余り物のパスタ。
それとセイコーマートで買ってきたソーセージ。
 
お昼ゴハンがアンパンだったので、お腹がすいていた。
なので、パスタは2人前茹でて、お腹いっぱい。
 
国後島を眺めながらの夕食。
最高である。
 

 
18時半。
日が沈んだ。
急に寒くなる。
半そで短パンではちょっと寒いので着込む。
 

 
テントの中。
22時くらいまで外は賑やか。
周りのキャンパーも楽しんでいる様子。
 
私はPSPでゲームなんぞをやりながら、ときどき星空を眺める。
さすが北海道、星がスゴイ。
特に夏は天の川が圧巻である。
 
テントから首だけ出して、夜空を見ながら寝たいものだが、蚊がいるようなのであきらめる。
(実はこのとき既にたくさん刺されていて、このあとずっと痒いのだ。)
 
さて、明日は宗谷岬を目指す。
その前に知床に寄っておこう。