戸隠に新そばを食べに行く

会社の同僚のKさんと、戸隠に新そばを食べに行こうということになった。
紅葉の時期でもあり、バイクでツーリングを兼ねて行くのだ。
 
戸隠には過去何度もそばを食べに行っているが、今回はKさんから「うずら屋に行こう」と、お店を指定して行くことになった。
 
「蕎麦処うずら屋」さんは戸隠の人気のあるおそば屋さんである。
いつも行列ができている。
並ぶのが嫌いな私は、実は一度も入ったことがない。
たまには行列のできるお店で食べてみようということになり、「うずら屋」さんに行くことになった。
 
KさんのバイクはBMWのR1200GSである。
ナビや無線やGoPROも装着された、電子機器満載のGSである。
 

 
朝9時に安曇野のスイス村に集合して、大町・美麻・鬼無里を一気に抜けて戸隠へ。
紅葉の時期であるからして、景色を楽しみながら行くのかと思いきや、ワインディングを攻める攻める。
ほとんど景色は見ずに、路面に集中するような移動だった。
 
快調に跳ばしてきたので、10時半には戸隠中社前に着いてしまった。
渋滞も覚悟して来たのだが、道路は混んでいなくて、あっさり到着。
 

 
思っていたほど人が居なかったので、このぶんだと「うずら屋」もたいして並ばないで食べられるかと思ったのだが…、甘かった。
 
バイクで行ったため、かろうじて駐車場に駐めることができたが、「うずら屋」さんのいくつかある駐車場は、どれも既に満車状態。
 
そして、お店の前は既に人だかり。


 
とりあえず順番待ちの名簿に名前を書いて、待つことにした。
 
しかし、良く見ると「2時間半待ち」という文字が…。
 
確認してみると、我々の名前を書いた名簿は「No.6」と書かれているが「No.4」の紙に「12:15頃案内」と書いてある。
今は10:40。
…既に2時間待ちは覚悟しなければならない状態である。
 
恐るべし、うずら屋
恐るべし、そばフリーク。
 
気を取り直して、戸隠中社にお参りし、周囲を散策。
すぐに退屈になるので、とりあえずそばでも食べようということになった。
 
2時間も待っていればお腹も減るだろうと思い、「ゆたかや」さんでざるそばをいただく。
 

 
もちろん新そばである。
どこで食べたって美味しいのだ。
 
「ゆたかや」さんのそばは、細くてのど越しもも良く、美味しかった。
 
しかし、「うずら屋」さんが混んでいるから、待っている間に他のお店でそばを食べるというのも、失礼な話しである。
他のお店だって、並んで食べたっておかしくないのに、この差はなんだろうか…。
 
それほど「うずら屋」さんは美味しいということか。
ますます食べずには帰れない。
 
このあと、喫茶店に入ったり、ちょっと山道を歩いたりと時間をつぶして、ようやく2時間経過。
 
結局我々がお店に入れたのは13時だった。
2時間20分待ち…。
 
2階の座敷に通された我々は、うまいことお腹が減ってきていたので、ざるそばの大盛りを注文する。
 

 
先に生わさびが出てきたので、これをゴリゴリと擂るKさん。
2時間以上待ったざるそばがどんな味なのか、楽しみである。
 
ほどなくして、待ちに待ったざるそばが出てくる。
 

 
じっくりと食べてみた。
 
先にざるそばを食べていたので、まったくの空腹では無かったのだが、とても美味しく感じた。
空きっ腹にはなんでも美味しいものだが、ちょっと前にざるそばを食べてから、更にざるそばを食べているにもかかわらず、とても美味い。
 
そばにじゅうぶんな味わいがあり、香りもいい。
さすが新そば。
それに、そばつゆが絶妙なのだ。
 
久しぶりにざるそばに感動する。
 
さすが、行列ができるだけのことはある。
 
ただ、大盛りざるそばで1000円は高いと思う。
そばってそんなに高価な食べ物ではないと思うのだが…。
大盛りという割に、量もそんなに多くないし。
 

 
とはいえ、美味かったには違いないので、お土産にそばまんじゅうを買って店を出る。
 
満足した我々は、戸隠から飯綱を抜け、小布施に行くことにした。
Kさんが、「小布施に美味しい栗菓子のお店がある」というので、行ってみることにしたのだ。
 
お店の名前は「松仙堂」。
小布施のリンゴ畑・クリ畑の中にあるお店は、普通に農家の軒先である。
 
まずはKさんオススメの「空蝉」を購入。
 

 
それと、「栗つくり」「梅つくり」のセット。
 

 
帰宅してから食べたが、どちらも美味い。
「空蝉」は栗の実をすりつぶして固めただけのようなお菓子で、味も栗そのもの。
「栗つくり」は羊羹の中に栗が一粒まるごと入っているお菓子。
小布施の栗を使ったこの季節ならではの美味しいお菓子である。
 
そばといい栗といい、信州の秋は美味しいもので溢れているのである。
 

 
今回はKさんに誘ってもらって、あらためてそばの美味しさを知った。
そば待ちの時間が長くて、たいして距離は走っていないツーリングだったけど、満足感が高いツーリングだった。
やはりペースが合う人とツーリングに行くのは楽しい。